前項でCpkの算出方法はわかりましたがではその値のときの規格外確率はいくらになるのでしょう?
では具体的な例を考えてみます。
標本平均μ、標本標準偏差σの分布に対して、規格がμ-3σ~μ+4σの場合を考えます。
グラフは下記のようになります。
この場合のCpkは定義2より
Cpk ={μ-(μ-3σ)}/3σ
=1
となります。
この時実際の規格外確率は先と同様に下限側では約0.00135となります。
一方上限側では約3.17*10-5となり、全体として約0.00138(約0.14%)となります。
では上限規格がμ+3.0001σだったりμ+10σだとしたらどうでしょう。
これらは同様にCpk=1ですが、前者では規格外発生率は約0.00135*2となり
後者は約0.00135となります。
すなわちCpkからだけでは規格外発生率は求められず2項で算出したp~2*pの範囲にあるということがわかります。
つまり最も悪めに見積もった場合Cpと同じ規格外発生率(2p)となります。
計算よりCpkが負になることがあります。
これは標本平均が規格外にある場合にそうなります。
しかし、もともとCpkはCpの考え方に準じて評価される数値であると思われるので負の数字ではあまり意味を成しません。
筆者は個人的には負になった場合のCpk値は0と表現して良いと考えています。
ただ悪さ加減を表現したいのなら負の値を用いるのも悪くないかもしれません。
片側規格のCpkはどうなるのでしょう?
Cpkの定義1から考えるとKを求めることができません。よって「片側規格のCpkはなし。」とする。
あるいはCpkの定義2よりもとより無い側の規格は無視して片側だけを用いる..すなわち下限規格ならば
を用いて計算する。(すなわちCpと同じ値)
の両方の解釈があると思われます。筆者は後者を採りますが定義の問題なので好みの方で解釈ください。